毛布症候群

欠伸を噛みしめて、あたしは数学のプリントを広げた。講座の前にやろうと思っていたけど、掃除が入ったので今からやっておこうと思う。

「ご機嫌斜め?」

「どうして」

「僕が羊佑と話したのを見て、友達取られると思ったとか」

自分でも少し不機嫌なのは分かっている。何が原因なのか考えるけど、明確なものが見つからない。

羊佑がクラスメートの女子と楽しそうにしているのを見たからかな。
いやでも、天川先生一途と言っても、話して笑うくらい日常のことだろう。

「あーそうかも」

「てっきとーだな。でも、あいつ善い奴だよね」

マオが人を褒めるなんて。驚いて顔を上げてしまった。

「ただあそこで言い返して来たら面白かったけどさ」

やっぱり喧嘩がしたかったのか。



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