無糖バニラ
どうしよう。

どうしたら……。


青ざめるあたしをよそに、女子たちの尋問はヒートアップ。


「てことはさ、昨日の相合傘ってこのはなんじゃないの?」

「っ!」


肩をつかまれて、体が強ばる。


女子だけじゃなく、この状況に気づき始めた男子までこちらに注目し出した。


――『あんたがいるから翼くんが!』


思い出す、あの痛み。

向けられている敵意は、同じもの。


「そういえば、このはさぁ、今日遅刻してきたよねぇ?芦沢くんも休みってことは……」

「えっ、やだ、そういうこと!?最悪」


どうしよう。

どうしよう……!


「ちょ、ちょっと待って!」


仁奈が立ち上がって味方をしてくれようとするけど、このままじゃ巻き込むことになる。
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