無糖バニラ
不満げに抗議をすると、翼は手を伸ばして、人差し指であたしの額をドスっと突いた。


「バカか。なんで俺がお前らのデートに付いていくんだよ。そもそも、返事は後回しのくせにちゃっかりデートはするとかおかしいだろ」

「だって、付き合ってるはずなのに1枚もそれっぽい写メが無いのはおかしいって皆に思われるって、小嶋くんに」

「まんまと乗せられてんなよ、アホが」


さっきから、バカとかアホとか。

何でこんなに怒られているのか分からない。


「でも仁奈も来るから、男子ひとりじゃ小嶋くん気まずいと思って」

「は」


翼の動きがピタッと止まる。


「小嶋とお前のふたりじゃなくて?」

「ふたり!?まさか!」

「それを早く言え」
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