無糖バニラ
3人で行けば妬まれない、なんて、昨日までの仁奈は人目なんて気にせずに翼に向かっていたような気がしたけど。
どんな理由でも、久しぶりに翼と登校出来ることは嬉しい。
色々あって気まずいけど、それでも。
道中はずっと仁奈が翼に話しかけて、その翼自身は適当に返事をしていた。
仁奈は、多分あたしにも話しかけていた。
だけど、ボーッとしてしまって、あまり頭に入らなかった。
学校が見えてきた。
あと少しだけ。
時間がゆっくり流れればいいのに……。
「このは」
名前を呼ぶから、当然それは仁奈だと思っていた。
ボーッとする頭で、声色を理解する。
「……え?」
目に入るのは、あたしをまっすぐに見つめる翼。
どんな理由でも、久しぶりに翼と登校出来ることは嬉しい。
色々あって気まずいけど、それでも。
道中はずっと仁奈が翼に話しかけて、その翼自身は適当に返事をしていた。
仁奈は、多分あたしにも話しかけていた。
だけど、ボーッとしてしまって、あまり頭に入らなかった。
学校が見えてきた。
あと少しだけ。
時間がゆっくり流れればいいのに……。
「このは」
名前を呼ぶから、当然それは仁奈だと思っていた。
ボーッとする頭で、声色を理解する。
「……え?」
目に入るのは、あたしをまっすぐに見つめる翼。