無糖バニラ
翼とのトーク履歴を開いて、新しいメッセージを打ち込む。


『風邪大丈夫?』


歩道の端っこで足を止めて、深呼吸。


返事、来ないかもしれないけど。


息を止めて、震える人差し指で送信マークをタップ。


はぁー、と、安堵のため息をつくと、すぐさま“既読”になって、さらに安心する。

ブロックされてなかった……!


返事はもらえると思っていないから、すぐにポケットにスマホを入れ直す。

すると、


――ピコンッ。


「!!」


ポケットから電子音が鳴って、驚いて飛び跳ねた。
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