プリズム!
そして、言うか言うまいか迷っているような素振りを見せる雅耶に。

「…雅耶…?」

思わず不安になって名を呼ぶと。

雅耶は一呼吸を置いて、再び笑顔になると言った。

「お前さ…、昨日長瀬と会っただろ…?」

「えっ長瀬?あ、うん…。帰りの電車で偶然会ったけど…」

それが、ヤキモチと何の関係があるんだろう。

「それでさ、今朝…長瀬から聞いたんだ。お前の…夏樹の制服姿が可愛かったって…」


「…は…?」


夏樹は思わず目が点になるが、雅耶はそのまま続けた。

「俺だってまだ見てないのに、何で長瀬が先に見てんだよって…そう思って。でも、そんなこと聞いたら、俺も夏樹に会いたくなって、いてもたってもいられなくて…。それで放課後、メール入れたんだ。ROCOに寄るって…」

「…雅耶…」


(長瀬相手にヤキモチ妬いたっていうのか…?)


長瀬は本当にただの友人だ。

自分は勿論、長瀬だってそういう特別な目で自分を見たことなんてない筈だ。

誰がどう見たって、どう考えたって答えは出ている。

そう、断言してもいい位なのに…?


雅耶の意外な告白に、夏樹は目を丸くした。


「長瀬が何を言ったか知らないけど…そんなの、ただの冷やかしなんだから気にすることないのに…」

長瀬がいつものように雅耶相手に軽口をたたきながら、からかっている様子が目に浮かんで、夏樹は言った。

だが、雅耶は「そうでもないよ」…と、首を振った。

「実際、お前のその制服姿は可愛いし…。やっぱり先を越された感じがして悔しいのはホントだよ」

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