愛言葉ー溺愛ー
家に電話をかけると幸い家は留守ではなく幾夢が出たので、素早く用件だけを言って携帯を閉まった。
しばらくすると、彩芭がマグカップを二つ持って入ってきた。
「ごめん。お待たせ」
そう言ってピンク色のマグカップを祭莉の前に置く。そのマグカップからはほんのりと湯気がたっていた。
「あ、ココアなんだけど大丈夫だった⋯?」
「うん。ありがとう」
柔らかく包み込むような彼の笑顔にこちらも自然と笑顔になる。
「あ、あのさ、祭莉⋯」
彩芭が言いかけた途端、ガチャと、ドアを開け中に祐が入ってきた。