運命の扉

中学2年の夏休み、思い切って汐里に相談しようとした。
「ねぇ〜、汐里って“好きな人”いる?」
なんとなく、ただなんとなく。恋の話に流れを持っていきたかったから聞いてみた。そしたら、汐里は顔を赤らめた。
「いるの?」の言葉に静かに頷く。
「誰?!どんな人ー?あたしが知ってる人?」
上目遣いで、あたしの顔を見つめる。
「絶対、誰にも言わない?」
「言わないよ!」
「んーとね。」
恥ずかしそうに、目線を下げて
「悠人……」
と汐里は答えた。

悠人。

正直、聞かなきゃ良かったって思った。
まさか双子の妹と好きな人が同じになるなんて…

「そっ、そうなんだ!悠人優しいもんね。うまくいくと良いね!」
心にもない言葉が、口からポンポン出てくる。
「ありがとう。」
頬を赤くして、恥ずかしそうに照れ笑いをして俯いた。その姿をみて、汐里の気持ちを大切にしたいってそう思った。
この日からあたしは自分の気持ちにトビラを閉めた。
悠人とは、ただの幼なじみ。そう言い聞かせ、トビラに少しずつ…鍵をつかけていった。

< 2 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop