恋愛と失恋の果てに。
阿部さんは、私を心配しながら
「それで、何があったんだ?
俺でいいなら話を聞くけど……」
そう言って気遣ってくれる。
相変わらず優しくてまた涙が溢れてきた。
私は、課長のことを話した。
全て話し終わると阿部さんは、驚いていた。
「まさか天宮麻梨子の元夫だったなんて
驚きだよ……こんなことってあるもんだな!?」
「私も驚きました。
でも、改めて実感させられました。
私は、元奥さんの代わりにもなれないと」
敵うはずがない。
あんな想いをぶつけられたら
私が勝てるものなんて1つもない。
「課長の……想いは……ずっと……」
そう言いかけたとき
阿部さんは、私の手を握ってきた。
「そんなことないと思うよ。
ほんの少しであっても君のことを
いいなと思ったはずだ。それは、俺が
十分知っている。叶わなかった恋だったけど
千奈美さんにとって大切な恋だったんだよ!」
阿部さん……。
阿部さんの優しい言葉に救われる瞬間だった。
彼は、泣き止むまでずっと付き合ってくれた。
申し訳ないと思ったが嬉しかった。
コーヒーを飲み終わると喫茶店に出る。
「あの……今日は、ありがとうございました。
ご迷惑をかけてすみませんでした」
出てすぐに阿部さんに頭を下げる。