恋愛と失恋の果てに。

配属先は……マネージャー!?


「えっ?マネージャーですか?」

私が配属されたのは、マネージメント部門の
芸能マネージャーだった。

芸能マネージャーとは、担当の芸能人の
スケジュールの管理や
売り込みなどを全面的にやる付き人の役割だ。
私がマネージャー!?

「そんなの無理ですよ!!
経験なんてないし、それに私なんかが無理に決まってます」
芸能人を管理するほど優秀でもないし
何より精神の病の内気な私がやれる訳がない。

しかし上のお姉……じゃなかった。希美さんが、
「あら、大丈夫よ。スケジュールの調整や
売り込みは、私がやるから千奈美さんは、
あの子を現場に必ず連れて来てくれたらいいだけ。
そんなに難しくないから安心して」
ニコリと笑顔で言ってきた。

現場に必ず連れて来て……って
どう言う意味だろうか?

スケジュール調整や売り込みをしなくてもいいなら
私でも出来そうだけど……何かが引っかかった。
すると隣で聞いていた阿部さんが反対をしてくる。

「そんな大変なこと千奈美さんには、無理だよ!?
こちらの仕事のこともまだ分からないのに
マネージャーだなんて大変な仕事を押し付けるなんて
千奈美さんが可哀想だ。他に無かったんですか?
希美姉さん」

阿部さん……。

「そう言われても……今、人手不足なのは、
この仕事しかないのよ。それに
ここで働く以上は、彼女だけ特別扱いなんて出来ないわ」

「それは、そうだけど……よりにもよって
恵斗が相手じゃあ……千奈美さんには荷が重いよ」
心配そうな表情をする阿部さん。

恵斗……?
誰のことだろうか?

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