恋愛と失恋の果てに。

阿部さん……。
彼は、私を気遣ってくれてる
その言葉が嬉しかった。

「大丈夫です。切なくないと言ったら嘘になりますが
思ったよりスッキリしているんです」

切ないのも本当。
でも、何処か辞められてホッとしている自分も居た。
もう……不安にならなくて済む。
病気のせいもあり、そう考えてしまうからだろう。

「……そうか。
前向きになれるなら、何よりだ」
私を見るならクスッと笑う阿部さん。

これでいい。
私は、新しい会社でやり直すんだ。
病気とも向き合うために……。

帰りは、阿部さんとランチを食べてから
自宅に帰った。
帰った後にさゆりにLINEをした。

『無事に退職届を出して受理されました。
迷惑をかけてごめんなさい。
心配をしてくれてありがとう』と……
これでいいかな?

送信と……。

すぐに返事がきた。
『どういたしまして。
無事に退職出来て良かったじゃない。
新しい仕事頑張りなよ!!』
何ともさゆりらしいコメントだろう。

思わずクスッと笑った。
うん……頑張ろう。

新しい会社
阿部エンタープロダクションで働くのは、
来月頃だった。
私の配属されたのは……

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