恋愛と失恋の果てに。
「君……尾野千奈美さんって言うの?」
「……はい。そうですが?」
それがどうしたのだろうか。
こんなイケメンの知り合いもいないし
何故驚いているのか分からない。
首を傾げていたら
「俺。今日君とお見合いすることになっている
阿部陸斗です」
衝撃的なことを言ってくるじゃないか。
えぇっ!?お見合い相手??
知らない。
そんなことをやるなんて一言も聞いてなかった。
まさか……
お母さん謀ったわね!?
家族の食事じゃなくて
私をお見合いをさせるために呼び出すなんて。
「あ、あの……私お見合いをするなんて
聞いていません」
「えっ?そんなはずは……」
彼は、戸惑った表情をしていた。
無理もない。
この人には、悪いけど
私は、課長のことが好きだし断ろう。
「多分母が、私を無理やりお見合いを
させようとしているのだと思います!
すみません。このお見合い無かったことにして下さい」
深々と頭を下げて謝罪をする。