恋愛と失恋の果てに。

「……いいよ」

えっ?
意外にもアッサリとした返事をしてきた。
私は、驚いて顔を上げた。

本当に……いいのだろうか?

するとその男性は、
「俺も母親に強引にお見合いを勧められて
仕方がなく会うだけ会って断ろうと思っていたんだ」
溜め息を混じりに言う男性。

何だ……そうなんだ?

それなら話が早い。
お互いに乗り気がなかったと言うことで決着がつく。
良かった……と胸を撫で下ろした。

「じゃあ……私は、これで」
そう言い立ち去ろうとしたら男性は、
私の腕を掴まえてくる。

「お見合いの話は断る。
断るから今から俺とデートしない?」

……はい?
デート?何で私がこの人と??

「お見合いとかじゃなくて。
俺……恋愛結婚がいいんだよね。その気なかったけど
生の君を見たら考えが変わった。
だから恋愛としてデートをしょう」
彼は、そう言ってくる。

な、何を言ってるの!?この人は……。
お見合いは、無しと言ってくれたと思ったら
デートしょうと言ってきたり
言っていることが無茶苦茶だわ!!

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