恋愛と失恋の果てに。

阿部さん……。

本来ならちゃんと断るべきだけど
課長に似ている部分のある阿部さんを見たら
断れなかった。

「……はい。」
私は、コクりと頷く。

そして少し休憩をした後
2人で食事に出掛けた。

あの後、阿部さんは、私の意見を
尊重してくれたせいか楽しく過ごすことが出来た。
彼が言っていた親に決められたお見合いより
こうした恋愛も悪くないと思えてくる。

阿部さんは、課長に似ている部分があったけど
気さくで明るい人だった。
こんな人が自分の彼氏だったらどんなにいいだろう。

娘さんが居る……バツイチの課長より
安心して付き合える。
そう思うのにまだ胸が痛む。

夜遅くなり阿部さんは、私を
自宅のアパートまで送ってくれた。

「今日は、ありがとうございました」

「いや、こちらこそ。とても楽しかったよ。
あのさ……また会えないかな?」

「えっ……?」
阿部さんを見ると真剣な表情で
私を見てくる。

えっ……それって!?

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