もしも君を愛すなら……。
作り笑いを必死に保って、背を向けて歩いていく慧君を見て、私はその場に崩れ落ちて、泣いた。


辛くって、


悲しくって、


自分自身が情けなくて、


寂しかった。


今すぐ立ち去る慧君を追い掛けて、抱き締めたかった。


想いを、伝えたかった。
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