弱虫男子
「な、な、さっきのノート見して」


まだ息の荒いヤスが


前の席から振り向きながら手を出す。



「まったくとってない。ごめん。」




カーデガンを脱ぎながら答える

俺の返事を最後まで聞かず


となりの席の女子にたずねた。




「さっきのノート見して」


「おい!」
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