あの夏に僕がここへ来た理由



教えてもらった墓地は、かなり古い墓が立ち並ぶ公営墓地だった。
ひまわりはこの場所に着いた途端、重い空気を感じていた。

海人の先祖が眠っているに違いない。

ひまわりは恐る恐る手前の一番端から、一つ一つ、墓石に刻まれた名前を見て回った。
きっと、墓に眠っている人々は何事だと思うだろう。
ひまわりは心の中でここに来た理由を唱えながら、粛々と木内家の墓を探した。

そして、後方の列の一番左端に、木内家と刻まれた古びた墓を見つけた。


ひまわりは、しばらく、そこへ近づけなかった。
胸の高鳴りが激しく、自分の耳にも聞こえてくる。
ひまわりはこの場所へ来たことを、少し後悔していた。


「木内海人さんのご先祖様に用があってきました」


ひまわりはそう言って、墓石の前に座り手を合わせお辞儀をした。


そして、墓石に刻まれている木内家の先祖の名前の中に、その名を見つけてしまった。





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