ズボラ女が恋する瞬間
曖昧な距離感
「どこぞの美人かと思ったら、あかりじゃん」


お盆休み明けの初日、電車を待っていると美緒に絡まれる。


「茶化さないでよ」

「茶化してないよ。で、どうよ?1人暮らしは」


どうも何も、前までも1人暮らしみたいなもんだったし。


「特に変わんないよ。強いて言うなら、駅が近くなった」

「ふ~ん、そっか」


なんて他愛もない会話をし、美緒と会社へと向かった。


「おはようございます」

「あら、泉。可愛くなったじゃない」


席に着くなり、田村さんに言われる。


「変じゃないですか?今朝、やけにいろんな人に見られて」

「そりゃ、可愛い子ならみんな見るでしょ?泉、男でも出来たの?」

「まさか。むしろ、逆です」


あたしの言葉に、田村さんは首を傾げる。

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