ズボラ女が恋する瞬間
この人、女心をわかっていてやっているのだろうか?

だとしたら、なんて罪な男なのだろう。


「戻るぞ。美緒も心配してるだろうし」


三浦の言葉に頷き、あたし達はホテルへと向かった。

美緒は心底心配してくれていたようで、朝まで美緒の事情聴取を受ける羽目になった。

そうして、社員旅行は終わった。

お盆休みは引っ越しに追われ、あっという間に過ぎ去っていった。

新しい新居は前の部屋に比べて小さいが、1人で暮らすには充分だった。

必要最低限しかない部屋は、少し寂しい。

だけど、何処か気持ちは晴れ晴れしていた。

そして気分転換にバッサリ髪を切り、何年かぶりにカラーもした。

それだけで、前の自分と違う自分になれたような気がした。

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