ズボラ女が恋する瞬間
「疑ってる?」

「いえ。疑うまで、まだ大翔を知らない。だから、今は信じます。でも、嘘は嫌い」


小さな嘘でも、信じられなくなるから・・・

常に、相手のことを疑いたくもない。

大翔には、いろんな噂がある。

だけど、それは所詮噂だ。

噂は、真実とは限らない。

だから、あたしが大翔自身を見て決めたい。

噂が真実なのか、嘘なのか。


「あかり」


不意に名を呼ばれ、大翔に視線だけを向ける。


「約束する。お前には嘘は付かねぇ」

「今は信じます。その代わり、ちゃんと証明してください」

「あぁ。だからお前も浮気すんな」


あたしが浮気?

きっと、無いと思う。

あたしは、そんな器用な人間じゃないから。

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