ズボラ女が恋する瞬間
優しく頭を撫でられ、その温もりが妙に心地よかった。


「今日も、泊って行けば?もう遅いし。酒飲んだから、送れねぇ」

「終電もないので、そうします」

「ホント、可愛げのない奴」


そう言うと、人の髪をグシャグシャにする。

もう、何なのよ!

ムッとしながら、ヘアスタイルを直す。

でも、嫌な気はしなかった。

その日の夜、あたしは大翔の温もりに包まれながら眠りについた。

そして柄にもなく、こんな他愛もない大翔との時間が永遠に続くことを願ったりなんかした。

今まで一度も永遠の愛なんて、これっぽっちも信じてたことなんてなかったのに・・・

< 218 / 253 >

この作品をシェア

pagetop