ズボラ女が恋する瞬間
加藤はいい奴だってことも。

だからこそ、加藤には幸せになって欲しい。

美緒も加藤を好きになれてたら、丸く収まること。

でも、たぶんこれから先も、美緒が加藤を好きになることはない。

みんながみんなが、幸せな恋をできるわけじゃない。

誰かの幸せの影で、誰かは泣いている。

加藤が好きになった子が美緒じゃなければ、あたしも純粋に協力できたのに・・・

加藤は、盛大なため息をつく。


「・・・忘れてぇのに、忘れたくねぇ」


矛盾に満ちた、加藤の言葉に胸が締め付けられる。

そんな加藤を慰めるように肩に手を回し、抱き締めるように背中をポンポンッと叩く。


「らしくないよ。弱音なんて吐いて」

「たまには、弱音くらい吐かせろ。お前にしか、言えねぇんだから」


嬉しいような、切ない加藤の叫び。

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