ズボラ女が恋する瞬間
送ってもらうような仲でもないし、美緒の家になんて言えない。

あたしは諦め、車が止まるのを待った。

そして案の定、車はうちのマンションの前で止まった。


「ありがとうございました」


一応、大人としてお礼を口にする。

そして、降りるためにドアへと手を伸ばした。

そんなあたしの手を、三浦は掴む。


「震えてる」


三浦に言われて、あたしは自分が恐怖で震えていたことに気付く。

止まれ。

そう思えば思う程、震えは一向に止まらない。


「お前、大丈夫じゃねぇだろ」

「・・・大丈夫です」

「なんで、強がるかなぁ」


なんで?


「むしろ、なんで構うんですか?三浦さんには、関係ないじゃないですか」


三浦は呆れたような顔で、あたしのこと見る。

< 71 / 253 >

この作品をシェア

pagetop