小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
でも…


そんなことはなくて…サトルの温かい気持ちに甘えながらも私の心は確かにサトルと向き合う決心をしていたんだ。


いつのまにかサトルが自分の心の中に大きくふくらんで、それを自覚する前に一歩を踏み出してしまった…
───そんな感じ。


だから流されたんじゃないんだって今は思えるんだ。


今日も迎えに来てくれたサトルと手を繋いで学校に向かう。



「ついにきたねー!」

「きたねー!」



私たちは私たちにしかわからない会話を繰り返す。


そんなこともなんだか嬉しかった。


激しい気持ちではないけれど温かい気持ちで過ごせる。


縁側でお茶を飲みながらニコニコと笑い合うみたいに…。


ついにきた…って言うのは学園祭のこと。


学園祭ではあれこれ一緒にまわることにしているから二人とも楽しみにしていた反面…






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