小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
そして

高校時代はある意味有名人だったがそれはヤンキーとしてではない。
“たらし”としてだ。


ヤンキーは中3のときにやめた。
似合わないリーゼントにした頭も無駄に太い黒パンも急にアホらしくなった。
アホらしいどころか恥ずかしくなった。

「俺の髪型、ヤバくね?」

気付いてしまったのだ。
その姿のダサさに…。

こうして俺は中3の10月、ヤンキーを卒業した。



話はソレたがナナとの別れの後、中学以来に荒れた俺の話だった。


中学以来荒れるといっても精神的な話だ。
まさかこの歳でリーゼントにする気は全くない。
ましてやしたくない。


俺の心は鈍り、汚れ、乱れ、泣いた。





ある日夢を見た。

口の中に小さな石をいくつもいくつも詰め込まれる夢を…。

黒い服を着た見知らぬ男が俺の口にひとつずつ石を押し込める。
俺の両腕は椅子に縛り付けられ、もがこうとしても動けない。
拒否することも出来ず次々とその男の手から機械的に運ばれる石にどうしようもなくなり俺はその石を飲み込む。

すると男はニヤリと笑い、また次々と石を口に押し込む。


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