小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
「…ううん!違うよ!マユとふたりッ!」



―――チクン。



胸が痛んだ。




「そう。じゃあいってらっしゃい!…サトルくん、いいコだし、お母さん好きだけど…お泊まりは…ね?まだナナもサトルくんも高校生なんだからね?」


「うん。」


…ごめんね…お母さん。

私は心の中で謝った。

サトルのお陰で近づいた家族との距離。

でも…

それでも、嘘ついてでもサトルと過ごしたいって思った。
初めはマユに頼まれて仕方ないし…なんて思ってたりもしたけど…

それは違って…

私は“サトルとの夜”を選んだんだ。





そしてその後、お母さんは、

「それより、あれからお父さんたらお母さんにナナの彼氏のことばっかり聞いてくるわよ!」

そう言って笑った。





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