小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜

私はバカだ…。



「うぁぁん…あぁ…ぁん！」



いつの間にかさっきまでとは違う涙が頬を濡らしていた。



「ﾅﾅっ！心配してたのよ！！どこに行ってたの！！お母さん心配してたんだから…！」


お母さんが勢いよくドアを開けた。

息を切らしている。

今まで走っていたみたいに…。

パートから帰ってきたらいなくなっていた私を心配して探してくれていたの…？

私はどこまで親不孝なんだろうね…。


お母さんはそんな私を優しく抱き締めてくれた。


「お母さん…私…病院行ってきたよ…」


途切れ途切れに言う。


「えっ？」


お母さんは絶句した。


「…ねぇ、お母さん…私…見たの…。」


涙が勢いを増す。


「…赤ちゃん…見たの…」


言葉をつなぐ私にお母さんは「うん」とうなずく。