管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)
翌日。
「蒼真さんと付き合ってるんですかっ!?」
お昼休みに、飲みかけたお茶を吹き出しかける絢。
「はい??」
「昨日、蒼真さんのハイツから出てくるところ、見かけたんですけど!!」
そう言ったのは、20歳そこそこの派遣の女の子だった。
長く伸びた茶髪の、ちょっとヤンチャしていた感じの、あどけなさの残る子だ。
「えっと…」
名札に、菊池真理亜(キクチ マリア)、と書いてある。
こういう場所には珍しく、明るくよく喋る子だけれど、嫌みはない子だった。
「同じラインでやってる菊池っていいます」
「知ってますけど、誤解ですよ」
「部屋から出てきたなんて、現行犯じゃないですか」
「その建物の、その部屋だって、よくご存知なんですね」
年下と言えど職場では一応敬語だ。
かあっと赤くなると、
「み、みんな、知ってます!!」
怪しい。
「あのハイツ、蒼真さんしか住んでませんから」