冷徹社長が溺愛キス!?

ビクッとして再度、彼女に隠れる。


「奈知?」

「……ね、麻里ちゃん、社長、まだこっち見てる?」


小声で尋ねる。


「社長?」


麻里ちゃんは言いながら、さっき社長がいたほうを見る。


「いないけど……?」


彼女の言葉にホッと息を吐いた。


「社長がどうかしたの?」

「まだ怒ってるのかもしれない」

「怒ってるって、水をかけたこと? まっさかー。あんなことでいつまでも怒ってるわけないよ」


それじゃ、さっきの目はなんだろう。
睨まれたように感じたんだけど……。
思い返して身震いしてしまった。

ふとそこで、あることに思い当たった。
もしかして、社長室に届けてもらったガーベラが気に入らなかった……?

注意しても改めることのない、学習能力の低い社員だと呆れた目で見ていたのかも。
余計なことをしてしまったと後悔したところで、ガーベラを届けた事実は取り消せないのだった。

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