そろそろ、恋始めませんか?~優しい元カレと社内恋愛~

というわけで、会社から期待されてる彼は、契約時に取り交わす書類の見方、過去に法的な問題になったケースを学ぶことになっている。


問題が起こってから、専門部署に問い合わせるのではなく、あらかじめ問題が大きくなる前に、気づくようにしたいというのが、このプログラムの目的だ。



「えっと、資料に契約法務の教育ツールとして、契約条件の修正パターンをまとめてあります」

私は、優人にまとめた資料を手渡した。


これは、もともと法務部に配属になった人のために作られたプログラムだ。


一応、法学部を出た人や、ある程度知識を持った人に、新たに契約法務に携わるようになった人に、職場に戻っても、それを見れば、どこに問題があるのか分かるように、ガイドとして機能するよう作ってある。


それを、一時的な教育目的に使えるように、作り変えただけで、普通の人が聞いても意味が分かりにくい。というか、これで分かれという方がおかしいのだ。


「まず、権利の制限・責任の限定、最も基本的な修正パターンから。えっと、大きく、権利/義務の発生自体を調整するパターンと、発生した権利/義務のレベルを調整するパターンから」


「うっ……」
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