そろそろ、恋始めませんか？～優しい元カレと社内恋愛～
「彼とは、最初の配属先で一緒でした。一緒に新入社員として配属されて、自然に話すようになったんです。
お互いに頑張ろうってわからないこと調べあったり、どちらかがミスして叱られたら、帰りに反省会したり、励ましあったりしました。それで、いつの間にか付き合うようになって」


「まあ、よくあることだ」
長谷川課長は、手にしたビールを飲み干したところで、言葉を挟んだ。


私は、課長にお酒のメニューを渡した。

「３年前、彼が関西に転勤になって……」


受け取ったメニューを眺めていた課長が、顔を上げた。

「関西？」


「はい。ついて行くつもりでした。でも、彼には、そのつもりがなくて」


なぜか、課長は思案中の模様。

「別れたの？」


「別れたっていうか、ケンカ別れしたんです」
長井とは話し合わないまま、離れてしまった。


「そのまま？」


「はい……」

私は、彼からの電話もメールも拒否した。
その時も、別れようってはっきり言われるのが怖かったのだ。


顎のところに手をやり、課長は何やら考えている。


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