じれったい
それを机のうえに置くと、スーツからジーンズとポロシャツに着替えた。

「これ、どうしよう…」

もう1度手紙を手に取ると、私は呟いた。

玉置常務はどうして手紙を開けないまま、ゴミ箱に捨てたのだろうか?

ダイレクトメールか何かと間違えたか、それともうっかり捨ててしまったのか…。

手紙を封筒の中に入れると、私は息を吐いた。

この後で夕飯を食べながら玉置常務に手紙のことを切り出してみようか?

…いや、そんなことをしたら自分の家のゴミ箱にあるはずの手紙が私の手元にあることに玉置常務は不審に思うことだろう。

「矢萩さーん」

1階から聞こえた玉置常務に、
「はーい、今行きまーす」

私は返事をすると、部屋を後にした。
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