じれったい
最初の印象は“頼りない”か…。

武沢さんにそんな印象を抱かせてしまった私も私である。

元々私は本社で事務員として働く予定だったのだが、人手不足だからと言う理由で子会社に配属されたうえに玉置常務の秘書として働くことになった。

それまで事務員として働いてきたため、秘書としての経験もなければそう言った免許も取得していなければ専門学校にも通っていなかった。

やることは事務とそんなに変わらないからと、玉置常務は言っていた。

だけども、私に秘書としての仕事が務まるかと不安の方が強かった。

そんな不安の中で始めた秘書の仕事は…今までと違ってなれないことだらけで大変と言えば大変だけれども、仕事の内容は事務とそんなに変わらなかった。

「今は頼りないって言う印象は抱いていないわよ。

むしろ今はたくましく、そして強くなったと言う印象を抱いているわ」

武沢さんはポンと肩をたたいた。
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