じれったい
もしかして、あの人が玉置常務が好きだった美知留さんと言う人なのだろうか?

「知りあいですか?」

そう思いながら聞いた私に、
「いえ、人違いでした」

玉置常務は彼女から視線をそらした。

彼はそう言ったけれど、私は彼女が美知留さんなのだと言うことに気づいていた。

あの様子からして見ると、美知留さんは玉置常務すらも知らない人と結婚をして幸せな家庭を築いているのかも知れない。

そう思っていたら、
「それよりも、兄が美知留と別れていたことに驚きました」

玉置常務が言った。

「私も驚きました。

てっきり、お2人は結婚しているんじゃないかと思ってました」

そう言った私に、
「僕が故郷から離れていた間に、いろいろなことがあったんですね」

玉置常務はそう答えて空を見あげた。

空はよく晴れていて、雲が1つも見当たらなかった。
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