この関係にピリオドを
部屋に誘われたとか、部屋着とかそんなこといちいちあたしに言うな。二年ぶりに会う竜樹はやっぱりまた一層大人の魅力を纏っていて、二十五のくせに生意気だ。


「やりたかったんだけどね、頭に散らついたのは、よれよれのTシャツに変なステテコですっぴん姿のいっちゃんだったんだよね。俺、頭おかしいみたい。誰よりもいっちゃんが可愛いんだ」


「バカじゃないの」


「バカだと思う。でも、いっちゃんが悪いんだ。最後にあんな可愛い浴衣姿で泣いて縋るんだから。あんなの忘れられるわけないだろ」


まだ夢を見ているみたい。こんな風に竜樹の腕の中にいることが信じられない。


「・・・あーあ、可愛くなっちゃってる。あの姿だったら誰も寄ってこないって油断してたな。これからは別にオシャレなんてしなくていいから。攫ってくからさ」


「勝手なこと、言わないでよ。あたしだって」


「決定だから、覚悟してね、いつき」
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