男装少女争・奪・戦 ~誰か選ぶとか無理だから!~ 【完】
puppet nightmare

消失

次に目を覚ましたのは白いベッドの上。

ここがどこだかはすぐにわかる。

――――病院だ……



祐一郎は……!?

焦って体を起こす。

隣には人の気配があったから、祐一郎ではないかと予想したのだ。

しかしそこにいたのは祐一郎ではなく……

「やっと目ぇ覚ましたのかァ?」

会長……だった……

祐一郎だと思ったのに。

「会長、なんで……ゆ、祐一郎は……!?」

「ちったぁ落ち着け」

自分をたしなめるように言う会長。

「でも……祐一郎が……別の病室? 今すぐに会いに……」

「この病院にはいねぇよ」

「じゃ、じゃあどこに……ッ」

気持ちばかりが焦る。

「祐一郎はどこに……」

「知らねぇ」

「知らないって……俺と一緒にいたのに……祐一郎はいなかったんスか?」

祐一郎は死んじゃったの? そんな問いを続けそうになり、口を押さえる。

「消えちまっただけだ。死んだわけじゃねぇだろおよ」

「消え……!?」

人が消えるなんてこと、あり得ない。

そう首をふる。

「人為的に消したんだろぉが。頭使え」

「人為的? だって事故なんスよ?」

自分を助けたせいで起きた、事故で……
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