恋色シンフォニー 〜第2楽章〜

「そこは夫婦で補い合っていけばいいと思うよ」

「……うん」

圭太郎と話してると、結婚って素敵なことなんだろうと思えてくる。
それはきっと、圭太郎のご両親が素敵な夫婦だったからじゃないかと思うんだ。


「鈴木さん、戻ってきたら圭太郎の後ひとりで大変だね」

「だいぶ業務整理したし、事務処理はパートさんや派遣さんに任せられるようにしたから、やっていけると思う」

……ああ、こういうところ、男性だなぁ。
言ってるそばから、男女の考え方の違い。
こういうときは心の中で苦笑いして、話題を変えるに限る。



***



「おめでとう」
「きゃー、おめでとうございます! 指輪キラリン、はまだですか⁈」

翌日火曜日のランチ。
玲子さんと渚ちゃんと3人で近くのインドカレー屋さんに来て、婚約の報告をした。

「指輪はこの間選んできたから、まだ出来上がりません」

「へー、指輪パカ、のプロポーズじゃなかったんですね! どこでどんな風にプロポーズされたんですか?」

……マンゴーラッシーを吹き出しそうになった。
圭太郎のバカ。
やっぱりきかれるじゃないの。

「……彼の家で、流れで?」

ナンをちぎりながら、ごまかした。
話題を変えよう。


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