恋色シンフォニー 〜第2楽章〜
圭太郎がタンブラー片手に、先に休憩室を出ていくと、百合がニヤニヤして言った。
「綾乃にあんな顔させるなんて、三神氏も隅におけないなぁ〜」
……見られてたのか。
恥ずかしすぎる。
「いや〜、一度、三神氏が焦るところを見てみたい。私が焦らせたら倍返しされそうで怖いから、誰か焦らせてくれないかなぁ〜」
私でさえ、彼が焦る姿は数回しか見たことない。
音楽やってると、ミスしても顔色を変えずに しれっとして立て直さなきゃいけないから、なんだろうか?