恋色シンフォニー 〜第2楽章〜
「え?」

彼は、私がベッドの下に落としたものを見て、驚きに目を見張った。

「え、うそ……」

「着替え持ってきてないって言ったでしょ。仕方ないじゃないの」

「だからって自分で脱ぐって……それも下……」

私は恥ずかしくて、目を閉じて言った。

「はい、どうぞ」

彼は布団をめくった。
私は慌てて目を開けて布団を奪い返し、抗議する。

「ちょっと、めくらないでよ! ものすごく恥ずかしいんだから!」

「すごい……。綾乃の潔さに惚れ直した……。どうしよ……すっごく好き……」

彼の眼差しと雰囲気が、愛情と欲望が混ざった男の人のものになり。
彼は布団の中に入って、私の上に乗ってきた。

「どうしよ……たまんない……」

身体が密着した状態で、そんな顔と声されると、こっちもたまんなくなってくるんだけど……。

「綾乃、好き。すっごく好き」

こんな、どストレートな言葉、言われるのも、リピートされるのも初めてです。

彼はまたも好き、と言いながら、私の唇を塞いだ。

身体がぴったりくっつきながら、私の経験上間違いなく一番いやらしいキスをされ、彼の切なげな息遣いが聞こえてくると、身体の中心が潤むのを感じた。

さっきソファで初めてキスされた時に気づいてはいたけど、この人のキスは、とても情熱的で、私をとかしてしまうんだ。

やっぱり、脱いでおいて良かった、などと心の中で思った。


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