四門メグへの手紙~魔女の瞳番外編~
私はスッと右手をかざし。

「      !」

出掛ける前に覚えたばかりの高速詠唱を行使しました。

『氷弾』

私が水属性…しかも『氷』を得意としているのは、メグさんもご存知ですよね。

…この男は私の一番得意な魔術じゃないと仕留められない。

そんな気がしたんです。

…水が凍っていく瞬間を早回しで見ている。

そんなイメージを頭の中に浮かべ、魔術を行使しました。

同時に私の右手から放たれたのは、テニスボールほどの大きさの氷の玉!

それが高速で、男へと飛んでいきます。

「むっ!」

男はその鋭い動きで氷弾を回避していきました。

私も単発で終わらせるつもりはありません。

次々と氷弾を放ちます。

とにかく、接近戦に持ち込まれては私は圧倒的に不利です。

できる事ならこのまま距離を置いて仕留めたい。

「ちっ…厄介な!」

男は敏捷性をフルに活用して氷弾を回避、かわし切れないものはその爪で打ち落としていきます。

有効打は今のところありません。

…男は、相当戦い慣れているようでした。



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