四門メグへの手紙~魔女の瞳番外編~
グールの体内の臓器を貫き、引き裂き、切り刻むように。

氷の槍がグールの中で発生しました。

氷柱の魔術はグールの体表を突き破り、血飛沫を吹き上げさせます。

「-----------っ!!」

一際甲高く、声にならない悲鳴を上げるグール。

彼は全身を氷の槍と、赤黒い血に彩られ。

ズシン…と。

その巨体をその場に横たえました。

「っ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

荒くなった呼吸のまま、私はグールを睨みます。

全身から氷の棘を生やしたような、まるでハリネズミみたいな姿で倒れているグール。

さしもの不死の魔物も、こうなっては絶命するしかないようです。

「…!…そうだ、ジルコー!!」

私はグールによって酷い傷を負わされたジルコーの事を思い出します。

すぐに彼の元へ駆け寄り。

「!!」

その傷を目の当たりにして絶句しました。

グールの全力で、頭から敷石に叩きつけられたのでしょう。

頭部が砕けています。

その上何度も踏みつけられて。

まだ辛うじて呼吸があったのは、奇跡としか思えませんでした。

「死なないで、ジルコー…!」

私は彼の側に膝をつき、すぐに治癒魔術を行使します。

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