恋のユクエ

「桜が同僚だったら楽しいかもな」

食後の珈琲にミルクをたっぷり入れながら
姫川さんは続けた。

珈琲をブラックで飲めないのが唯一私達が
似ている所かもしれない。

「私は楽しくないです」

私もミルクを入れながら言った。

「それに無理ですよ…」

あの人や姫川さんとの関係が知られたら
困るのは私だけじゃない。

「無理かどうかは桜が決めたらいいよ」

姫川さんは静かに言った。

「桜がその気になったら応援するよ」

「か、考えておきます」

本気で言ってるのかな。
姫川さんって本当わからない人だ。


< 15 / 22 >

この作品をシェア

pagetop