恋のユクエ

「あのさ次なんだけど」

珈琲も飲み終わり、そろそろ帰るのかなと
思い始めた時。

「しばらく会えそうにないんだ。」

唐突に姫川さんは言った。

「そうですか」

別に私達に会う理由は無い。
姫川さんがそう言うなら従う他無いと思う。

「冷めてんなぁ」

姫川さんは苦笑いすると

「もう少し寂しがってくれよ」

わざとらしく眉尻を下げてみせる。

なんて言ったらいいんだろう…
だいたい兄と妹って、こんなに頻繁に
会うものなのかな?

考え込む私に姫川さんは

「寂しくなったら電話してきて」

そう言って笑った。
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