翼をください
翼はまだ鞄に教科書を入れている途中で……
「うん、ちょっと待って」
と、パッと鞄に教科書を綺麗に全部入れた。
きっと、私たちが別れたなんて他の人は知らない。
だって、何も変わらないみたいなんだもん。
変わったのは、目で見えない心だから……
心が目で見えるものだったら、翼が今、何を考えてるのか分かるのかな……
「おまたせ」
私がそんなことを考えてるうちに準備が出来た翼が、私の方を見て、少し微笑んだ。