翼をください
いつもの道を、いつものように歩いて帰る。
ただ違うのは、繋がれない手。
「柚……」
少し歩いたところで、翼が話しかけてきた。
ん?と翼を見上げる。
「別れるって言ったの納得してないって言ったよね。けど、俺は柚と前には戻れない」
「……翼は……私のこと嫌いになった?」
心が嫌だと叫んでる。
自分から口にして、その答えを聞くのが怖いから。
けど……
聞かずにはいられなかった。
「嫌いじゃないよ」
その言葉に少しホッとした。
「けど、好きでもない」
苦しくて、顔をあげられなかった。