翼をください
チャイムがなるギリギリにドアが開く音がした。
開いたドアから入ってきた人物を見て、またみんながざわついた。
入ってきたのは、頬が赤く腫れた怜と翼だった。
瞳は少し赤くなっていて……
「ちょっ……!怜!?」
駆け寄る唯。
駆け寄れない私。
ただ、見つめることしかできなかった。
「どうしたの!?」
と、聞く唯に、なんでもねぇ、と席についた。
隣に座る翼に、何も言えなかった。
何も言えない自分が、悔しかった。
それから、私たちの間に何かがあったのだろうと、噂が流れ始めた。