本当の遠距離恋愛 1

 2人は居酒屋を出て近くのバーに行った。

 静かな雰囲気のなかで美味しいカクテルが飲めるという
  評判の店だ。

 「私は・・ジントニック!」

 「じゃあ・・モスコミュール」


 定番のカクテルだ。


 長い大きなカウンターに他にお客はいない。

 普通の人は明日も朝から仕事である。

 それに時間もまだ早い。

 こうゆう店は深夜から混んでくる。

 ビールに飽きた喉をカクテルが新たな味で
  満たしてくれる。


 「ねえ・・・紗希・・・」

 
 この愛美の口ぶり・・・


 夜勤を代わってほしい時と、お金を貸してほしい時の
  あの口ぶりだ。


 しかし、愛美は外来看護師で夜勤はない。

 お金も先ほど完済した上、利子付き。

 経済的に困っている様子は・・・・ない!


 それに福岡へ行くこともない。

 じゃあ・・・なんだ?




 
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