本当の遠距離恋愛 1
 それからというものの、病院で愛美と会っても、
  バイトの誘いもなかったし、挨拶を交わす程度で
  時は過ぎていった。

 


  11月下旬。

 
 この頃になると街のあちらこちらはクリスマスムード一色となる。

 クリスマスソングが流れ、ショウウインドウには
  クリスマスカラー(赤や緑)でデコレーションされる。

 テレビでは「今年のクリスマスおねだりランキング」
  というコーナーが目立つ。

 1位はやはりアクセサリー
 2位はブランドのバッグ


 飛び上がるぐらいの価格だ。

 久しぶりに紗希はウインドウショッピングを楽しんでいた。

 特に目ぼしい商品は無く、彼氏のいない紗希にとっては
  クリスマスほど憂鬱なものはない。


 好きな人はいるが完全に片思い。

 告白する勇気もない。


 (男たちは大変だな・・プレゼントにディナー、ホテル代・・)


 そんな男たちの懐事情を勝手に心配しながら歩いていた。


 

 

 
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