綺麗な記憶
幸せな記憶*
すれちがう時に自分の人指し指と薬指を絡める。
それが彼、町田浩太と一緒に帰るサインだった
出会いは1年前。
中学に入学してしばらくたった6月の下旬
学校にもだいぶ慣れて写真部のセンパイとも話せるよくになり、日の落ちる時間もおそくなった、梅雨があけてしばらくした初夏の事だった。
隣のクラスに転校生がきたらしい…だからといって私には関係のない事
けれどその日の放課後隣のクラスの転校生は写真部に見学に来ていた
私が「あ。」と声を漏らすと美人で人気物の坂田友香センパイが反応を示し、こちらを振り向く
「あれ?みさちゃんの彼氏?」
『深矢美咲里』私の名前。けれどあまり美咲里という名前が好きではない、だから『みさちゃん』と呼んでもらっている
「いいえ、隣のクラスの転校生です。」
「そっかぁ、この時期にめずらしぃ~親の離婚とか?」
「さ、どうですかね?転勤とかじゃないですかね?」
センパイは深読み…というか探る癖がある
見学かなぁと短いサラサラな髪の毛がセンパイの大袈裟な動きに合わせてはねる
何を話したか知らないがセンパイが転校生の手を引いてこっちへ来た。
「今日2組に転校してきた人だよね?」そう聞くと柔らかくうん、と笑った
「浩太って呼んで」
「ん。ひろた、よろしくね。で、下の名前は?」するとクスクスと楽しそうに笑ってみせた
「まちだひろた。下の名前」
「え、そうなんだ」
私と浩太が話しているとセンパイはつまらなそうにした。
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