あなたの願いを叶えましょう
最初に運ばれてきた冷奴を二人でつまみながらビールで晩酌をする。

「そういえば、聞いたよ」

今こそ、黒澤波留を問い詰める絶好のチャンス。

私はいきり立つ気持を抑えるよう、コップのビールを一気に飲み干し、ぶはーっと大きな溜息をつく。

「幼稚園の頃習わなかった?嘘つきは泥棒の始まりって」

私は重い口をようやく開き、ジロリと黒澤波留を真正面から睨みつける。

「は?うそ?」

黒澤波留は小首を傾げて聞き返す。

「このオオカミ少年!」

スッとぼけた態度に苛立って、私は悪態をつきながらジロリと睨みつけてやる。

「少年って言うよりも、中年かも。いや、それは嫌だな…」

黒澤波留はどうでもいいことをぶつぶつ呟いている。

「惚けないでよ!あんたと梁川の関係の事なんだけど!」

「ああ、義姉さんの事か」

悪戯がバレた小学生のように黒澤波留はニヤリと笑う。

まったく悪びれていないその顔は、ナオシと瓜二つってとこも妙に腹正しい。
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